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「人事」は採用・育成・労務・人事制度企画・HRBPという性質の異なる仕事の集合体です。同じ機能でも大手企業かスタートアップ・中小企業かで任される裁量も忙しさもまったく変わります。担当領域と企業規模を選んで、自分に近い人事像を見てみてください。
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年間の採用計画に沿って、母集団形成(応募者となる候補者を集める活動)から書類選考、面接日程調整、内定者フォローまでを分業体制の中で担当します。新卒なら合同説明会や大学訪問、中途ならエージェント対応やスカウト運用など担当領域が明確に分かれているのが特徴で、目標人数という数字を背負いながら応募者一人ひとりの意思決定に寄り添う仕事です。
新卒配属もあるが、面接官同行など段階的に任されることが多い
採用ピーク期(説明会シーズンや中途の繁忙期)は面接日程調整が集中する
求人の中心的なレンジ。採用ブランディング等の専門色が強いポジションは上振れすることもある
大手企業では、新卒採用と中途採用は担当が分かれているケースが多いです。
新卒採用は、大学3年生を中心とした一括採用のスケジュールに沿って1年を回します。合同説明会・企業セミナー・インターンシップの企画運営、大学キャリアセンターとの関係構築、就活サイト(新卒向けの求人媒体)への出稿・原稿作成が中心業務です。内定出しから入社まで期間が長いため、内定者フォロー(座談会・懇親会の企画)も重要な仕事になります。
中途採用は、現場からの欠員・増員要請を起点に、年間を通じて随時動きます。求人要件を整理し求人票を作成した上で、転職サイトへの掲載や、複数の人材紹介会社(転職エージェント)への案件説明・条件提示によって候補者を集め(母集団形成)ます。どのエージェントにどの条件で依頼するかを調整する「エージェントコントロール」や、現場責任者が面接官を務める際の評価基準レクチャー・面接同席も担当領域です。転職サイトと転職エージェントはチャネルとして別物で、使う媒体も進め方も大きく異なります。
対応する候補者数はポジションや繁忙期によって差が大きく、月に数名の枠もあれば、採用強化中は月60〜70名規模の候補者に会うケースもあります。
採用したいポジションが日々変わる中で、エージェント対応からダイレクトリクルーティング(企業側から候補者に直接アプローチする採用手法)、面接、内定者フォローまで一人で幅広く担当します。採用担当が自分一人、あるいは数人という体制も珍しくなく、経営陣と直接すり合わせながら「今何人、どんな人が必要か」を自分で組み立てていく裁量の大きさが特徴です。
採用の型が定まっていない分、行動力とキャッチアップの速さが重視されやすい
事業フェーズや資金調達のタイミングで採用人数が大きく変動する
求人の中心的なレンジ。基本給は控えめな分、裁量や役職登用で還元される場合もある
スタートアップ・中小企業では、新卒採用と中途採用を同じ担当者が並行して回すことが多いです。
新卒採用は年1回のサイクルで動くため、合同説明会への出展や就活サイトへの掲載など、決まった時期に業務が集中します。採用チームが小さい分、大手のような分業はできず、母集団形成から内定者フォローまでを一人で通しで担当します。
中途採用は、現場からの「今すぐ1人欲しい」という要望に応じて随時発生します。求人票の作成、転職サイトへの掲載、複数の人材紹介会社への依頼(エージェントコントロール)をこなしながら、ダイレクトリクルーティング(企業側から候補者に直接アプローチする手法)やリファラル採用、アルムナイ採用(退職者の再雇用)といった、エージェントに頼らない手法も並行して使うのが特徴です。
一人〜数人体制のため対応できる候補者数には上限があり、同時並行できるポジション数・候補者数は大手ほど多くないのが一般的です。
新入社員研修から管理職研修まで、階層やテーマごとに設計された研修プログラムを企画・運営します。外部の研修会社と連携しながらコンテンツを作ることも多く、受講者アンケートや評価データをもとに、プログラムの効果を継続的に改善していく仕事です。
研修設計の知見は入社後に学べるが、人材育成への関心は前提として問われる
月の残業は目安15〜25時間程度。研修シーズン(新卒入社時期など)は準備・運営が重なり増えやすいが、それ以外は比較的スケジュールが読みやすい
求人の中心的なレンジ。マネージャー職やタレントマネジメント専任はさらに上振れすることもある
企画・準備期間は資料作成やカリキュラム設計、実施週は研修当日の運営・ファシリテーションが中心になります。年間で新入社員研修から管理職研修まで数本〜十数本のプログラムを企画・運営するのが一般的な目安で、1回あたりの受講対象者が数十人規模になることもあります。研修スライド・テキストの作成にはPowerPointでの構成力、受講者アンケートや評価データの集計にはExcelでの分析力が求められ、アンケート結果をもとに次回の内容を改善するサイクルを回します。
決まった研修制度がまだない中で、新しく入った人がスムーズに立ち上がれるようオンボーディング(新しく入った人が早期に活躍できるよう支援する受け入れの仕組み)を一から作ります。マニュアル整備や1on1の設計、現場マネージャーへの育成サポートなど、「人が育つ仕組み」そのものを構築していく仕事です。
体系だった研修経験より、仕組み作りへの当事者意識が重視されやすい
月の残業は目安20〜30時間程度。入社ラッシュのタイミングでオンボーディング業務が集中しやすい
情報が少なく参考程度。近い職務(育成・採用兼任の人事)の求人データを参考にした
入社者を迎える週はオリエンテーションや1on1(上司・メンバーとの個別面談)の設計・同席が中心になり、それ以外の期間はマニュアルや研修コンテンツの作成に時間を使います。スタートアップでは月に数名〜十数名規模の入社が続くこともあり、入社者一人ひとりに合わせたオンボーディング計画を組むのが特徴です。マニュアルやガイドの作成にはWordやNotionのようなドキュメントツール、研修スライドの作成にはPowerPointが使われ、決まったフォーマットがない分、資料の型そのものを自分で設計する力が求められます。
毎月の給与計算や社会保険の手続き、勤怠管理など、正確性とスケジュール厳守が求められる定型業務を中心に担当します。従業員数が多い分、一つのミスが与える影響も大きく、法改正への対応やシステム運用など、専門性を積み上げていく仕事です。
社労士等の資格がなくても始められるが、給与計算・社会保険の基礎知識があると採用で有利
月の残業は目安15〜25時間程度。通常期は比較的落ち着いているが、給与計算の締め日や年末調整の時期は繁忙期になりやすい
求人の中心的なレンジ。社労士資格保有者や上級ポジションはさらに上振れすることもある
月中は勤怠データの確認・給与計算システムへの入力チェック、給与支給日前後は計算結果の確認・振込データ作成に追われるというサイクルが基本です。大手企業では数百〜数千人規模の従業員の給与・社会保険手続きを、複数人のチームで分担して担当します。給与計算・勤怠データの集計にはExcelと専用の給与計算システムを併用することが多く、年末調整の時期(10〜12月頃)は扶養控除申告書のチェックや年税額の再計算で例年、業務量が大きく増えます。
給与計算から社会保険手続き、就業規則の整備、勤怠管理システムの選定まで、労務まわりをほぼ一人で担当することが多い仕事です。制度がまだ整っていない会社も多く、「何もないところから労務の基盤を作る」役割を担うことになります。
労務の基礎知識は前提として求められるが、制度設計から任される裁量がある
月の残業は目安20〜30時間程度。一人で担当領域が広いため、繁忙期以外も業務量が読みにくい
求人の中心的なレンジ。労務以外の総務業務も兼任する分、担当範囲の広さの割に基本給は控えめな傾向
給与計算・社会保険手続きといった定型業務と、就業規則の整備や労務相談対応といった非定型業務が入り混じります。従業員数十人〜100人規模の会社を一人でカバーすることが多く、締め日前後は給与計算に、それ以外の期間は制度整備やシステム導入に時間を使う、というメリハリが生まれやすいです。給与計算にはクラウド給与ソフトとExcelを併用し、就業規則や諸規程の作成にはWordでの文書作成力が求められます。相談窓口を兼ねることも多く、従業員一人ひとりの状況に応じた個別対応力も必要です。
評価制度や等級制度、報酬体系といった「人事の仕組みそのもの」を設計・改定する仕事です。経営方針や事業戦略を踏まえながら、他部署や経営層と合意形成を重ね、大きな組織全体に影響する制度を作り上げていきます。
人事の他領域(採用や労務)を経験してから配属されることが多い
月の残業は目安15〜25時間程度。制度改定のタイミング(導入直前・説明会シーズン等)以外は比較的スケジュールが読みやすい
求人の中心的なレンジ。経験年数や担当範囲(グループ全体・海外含む等)によりさらに上振れすることもある
制度設計プロジェクトの期間中は他部署へのヒアリングや経営層向け提案資料の作成、通常期は既存制度の運用・問い合わせ対応が中心になります。評価制度や報酬制度の改定は、検討開始から導入まで半年〜1年程度かかることも珍しくなく、対象は全社員(大手企業では数百〜数千人規模)に及びます。経営層向けの提案資料にはPowerPointでの構成力、新制度導入による給与インパクトのシミュレーションにはExcelでの数値分析力が求められ、複数部署の意見を調整しながら合意形成を進める力も重要です。
評価制度や等級制度がまだ存在しない、あるいは形だけの会社で、経営陣と直接話しながら制度をゼロから設計します。大手のような前例やフォーマットがない分、自社の事業フェーズや価値観に合わせて、手探りで仕組みを作り上げていく仕事です。
制度の全体設計には、人事の実務経験が前提として求められやすい
月の残業は目安20〜30時間程度。経営陣の意思決定タイミングに合わせて、作業が集中することがある
求人の中心的なレンジ。経営陣に近い分、実務経験者はこのレンジの上限寄りで採用されることが多い
経営陣とのディスカッションや制度の叩き台作成、固まった内容を社員向けに説明する準備が中心になります。従業員数十人〜100人規模の組織を対象に、等級・評価・報酬の骨格を一から作るため、参考にできる前例が社内になく、他社事例のリサーチと自社への当てはめを行き来しながら進めます。給与テーブルや評価シートの設計にはExcelでの数値管理、社員説明会用の資料にはPowerPointでの構成力が求められ、経営陣への説明と現場社員への説明で、同じ内容でも伝え方を変える工夫も必要です。
HRBP(Human Resource Business Partner)として特定の事業部やグループに入り込み、人事の専門知識を武器に事業責任者の右腕として組織課題の解決に伴走します。採用計画から評価・配置、組織の雰囲気づくりまで、事業側の視点に立ちながら人事施策を実行していく、事業と人事の橋渡し役です。
採用・労務・制度など人事の他領域を経験した上で任されるポジション
月の残業は目安20〜30時間程度。事業側の会議に同席する機会が多く、事業の繁閑に働き方が連動しやすい
求人の中心的なレンジ。マネージャー・CHRO候補クラスはさらに上振れすることが多い
事業部の定例会議やマネージャーとの1on1への同席、組織サーベイのデータ分析、事業部長への施策提案資料の作成などが中心になります。1人で数十〜100人規模の事業部を担当することが多く、月1回程度の頻度で組織サーベイの結果を確認し、離職の兆候やチームの課題を早期に察知する動きが求められます。サーベイデータの集計・分析にはExcel、事業部長・経営層向けの提案資料にはPowerPointでの構成力が必要で、人事の専門知識を事業側にも伝わる言葉に翻訳する力が問われます。
HRBP(Human Resource Business Partner)として経営陣のすぐそばで、採用から制度設計、組織文化の醸成まで、組織づくり全般に横断的に関わります。事業のスピードに合わせて人事施策を素早く実行する必要があり、専任の人事部門がまだない会社では、実質的に人事機能そのものを担うポジションになることもあります。
人事の幅広い実務経験に加え、経営視点も求められるポジション
月の残業は目安25〜35時間程度。経営の意思決定や事業フェーズの変化に応じて、優先順位が頻繁に変わる
求人の中心的なレンジ。事業責任者に近い裁量を持つ分、大手企業のHRBPより上振れしやすい
経営会議への出席、組織課題のヒアリング、採用〜制度整備まで幅広い実務のいずれかに時間を使う、という組み合わせで決まった型がありません。専任の人事部門がまだない会社では、実質的に一人で人事機能全体(数十人規模の組織)をカバーすることもあります。人員計画や組織図の整理にはExcel、週次の経営会議で使う報告資料にはPowerPointでの構成力が求められ、経営陣の意思決定スピードに合わせて資料も素早く作る瞬発力が必要です。
掲載の年収はいずれも各パターンの求人情報から算出した中央値の参考レンジです(quickfactsを参照)。経験・スキル・企業規模により変動します。
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相性の良い転職エージェントは人によって違います。求人の量や、担当者との相性を見るためにも、2〜3社まとめて登録しておくのがおすすめです。
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