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人事という仕事

「人事」は採用・育成・労務・人事制度企画・HRBPという性質の異なる仕事の集合体です。同じ機能でも大手企業かスタートアップ・中小企業かで任される裁量も忙しさもまったく変わります。担当領域と企業規模を選んで、自分に近い人事像を見てみてください。

1条件を選ぶ

担当領域
企業規模

2この組み合わせの傾向

採用 × 大手企業

分業型 採用担当

代表例 新卒採用担当 中途採用(リクルーター) 採用ブランディング担当

年間の採用計画に沿って、母集団形成(応募者となる候補者を集める活動)から書類選考、面接日程調整、内定者フォローまでを分業体制の中で担当します。新卒なら合同説明会や大学訪問、中途ならエージェント対応やスカウト運用など担当領域が明確に分かれているのが特徴で、目標人数という数字を背負いながら応募者一人ひとりの意思決定に寄り添う仕事です。

未経験からの難易度 業界経験があると有利

新卒配属もあるが、面接官同行など段階的に任されることが多い

働き方の傾向 やや忙しめ

採用ピーク期(説明会シーズンや中途の繁忙期)は面接日程調整が集中する

年収の中央値(参考) 400万円〜600万円

求人の中心的なレンジ。採用ブランディング等の専門色が強いポジションは上振れすることもある

業務内容
  • 年間採用計画・予算の策定
  • 合同説明会・企業セミナー・インターンシップの企画運営
  • 大学キャリアセンター・就活サイトとの折衝
  • 書類選考・面接日程調整、内定者フォロー(座談会等の企画)
具体的な業務イメージ(新卒/中途)

大手企業では、新卒採用と中途採用は担当が分かれているケースが多いです。

新卒採用は、大学3年生を中心とした一括採用のスケジュールに沿って1年を回します。合同説明会・企業セミナー・インターンシップの企画運営、大学キャリアセンターとの関係構築、就活サイト(新卒向けの求人媒体)への出稿・原稿作成が中心業務です。内定出しから入社まで期間が長いため、内定者フォロー(座談会・懇親会の企画)も重要な仕事になります。

中途採用は、現場からの欠員・増員要請を起点に、年間を通じて随時動きます。求人要件を整理し求人票を作成した上で、転職サイトへの掲載や、複数の人材紹介会社(転職エージェント)への案件説明・条件提示によって候補者を集め(母集団形成)ます。どのエージェントにどの条件で依頼するかを調整する「エージェントコントロール」や、現場責任者が面接官を務める際の評価基準レクチャー・面接同席も担当領域です。転職サイトと転職エージェントはチャネルとして別物で、使う媒体も進め方も大きく異なります。

対応する候補者数はポジションや繁忙期によって差が大きく、月に数名の枠もあれば、採用強化中は月60〜70名規模の候補者に会うケースもあります。

この仕事のやりがい
  • 自分が口説いた候補者が入社を決めてくれた瞬間の達成感
  • 会社の未来を作る「人」に一番最初に出会える仕事
  • 採用ブランディングが軌道に乗ると、応募数の変化として結果が見える
向いている人
  • 初対面の相手とも短時間で信頼関係を築ける人
  • 採用人数という数字目標に向けて、淡々と行動量を積める人
  • 会社の魅力を言語化して伝えるのが得意な人
向いていない人
  • 一人の候補者とじっくり向き合うより、効率重視で数をこなしたい人
  • 選考結果を伝える(特に不合格通知)ことに強いストレスを感じる人
  • 決まった選考フローの中で仕事をすることに窮屈さを感じる人
つまずきやすいポイント
  • 採用計画通りに人が集まらず、目標未達のプレッシャーを受けやすい
  • 内定辞退や早期離職が続くと、自分の見極めを疑うようになりやすい
  • 現場(配属先)の要望と応募者の希望のギャップに板挟みになりやすい
必要スキル
面接力 母集団形成の企画力 候補者体験の設計力 現場との調整力 データに基づく採用計画力
その後のキャリアパス例
  • 採用の上流(採用戦略・ブランディング)へ
  • HRBP・人事制度企画へ
採用 × スタートアップ・中小

オールラウンド採用担当

代表例 一人採用担当 採用〜労務兼任の人事

採用したいポジションが日々変わる中で、エージェント対応からダイレクトリクルーティング(企業側から候補者に直接アプローチする採用手法)、面接、内定者フォローまで一人で幅広く担当します。採用担当が自分一人、あるいは数人という体制も珍しくなく、経営陣と直接すり合わせながら「今何人、どんな人が必要か」を自分で組み立てていく裁量の大きさが特徴です。

未経験からの難易度 未経験歓迎

採用の型が定まっていない分、行動力とキャッチアップの速さが重視されやすい

働き方の傾向 波がある

事業フェーズや資金調達のタイミングで採用人数が大きく変動する

年収の中央値(参考) 350万円〜550万円

求人の中心的なレンジ。基本給は控えめな分、裁量や役職登用で還元される場合もある

業務内容
  • 採用要件定義から母集団形成(スカウト運用・媒体選定)までを一人で担当
  • 書類選考〜面接調整〜内定者フォローを一気通貫で対応
  • 採用ページ・SNS発信など採用広報の企画制作
  • リファラル採用(社員紹介による採用)の仕組みづくり
具体的な業務イメージ(新卒/中途)

スタートアップ・中小企業では、新卒採用と中途採用を同じ担当者が並行して回すことが多いです。

新卒採用は年1回のサイクルで動くため、合同説明会への出展や就活サイトへの掲載など、決まった時期に業務が集中します。採用チームが小さい分、大手のような分業はできず、母集団形成から内定者フォローまでを一人で通しで担当します。

中途採用は、現場からの「今すぐ1人欲しい」という要望に応じて随時発生します。求人票の作成、転職サイトへの掲載、複数の人材紹介会社への依頼(エージェントコントロール)をこなしながら、ダイレクトリクルーティング(企業側から候補者に直接アプローチする手法)やリファラル採用、アルムナイ採用(退職者の再雇用)といった、エージェントに頼らない手法も並行して使うのが特徴です。

一人〜数人体制のため対応できる候補者数には上限があり、同時並行できるポジション数・候補者数は大手ほど多くないのが一般的です。

この仕事のやりがい
  • 会社の急成長を「人を集める」という形で直接支えている実感
  • 採用戦略をゼロから自分で組み立てられる裁量の大きさ
  • 入社した人が活躍する姿を、組織の変化として肌で感じられる
向いている人
  • 決まったやり方がない中で、自分で試行錯誤しながら進められる人
  • 採用以外の業務(労務や総務など)も兼任することに抵抗がない人
  • 経営陣と直接コミュニケーションを取ることに前向きな人
向いていない人
  • 整った制度やマニュアルの中で仕事を進めたい人
  • 一つの業務に専念して専門性を深めたい人
  • 採用計画が頻繁に変わることにストレスを感じる人
つまずきやすいポイント
  • 採用ノウハウが社内に蓄積されておらず、手探りで進める負担が大きい
  • リソース不足で、母集団形成から面接日程調整まで全部自分でこなす必要がある
  • 事業の急な方針転換で、採用計画が白紙に戻ることもある
必要スキル
ダイレクトリクルーティング力 マルチタスク管理力 経営陣との折衝力 採用広報の企画力 スピード感のある意思決定力
その後のキャリアパス例
  • 人事責任者(採用〜労務〜制度を統括)へ
  • 大手企業の専門採用職への転身も
育成 × 大手企業

研修企画・人材開発担当

代表例 新入社員研修担当 階層別研修企画 タレントマネジメント担当

新入社員研修から管理職研修まで、階層やテーマごとに設計された研修プログラムを企画・運営します。外部の研修会社と連携しながらコンテンツを作ることも多く、受講者アンケートや評価データをもとに、プログラムの効果を継続的に改善していく仕事です。

未経験からの難易度 業界経験があると有利

研修設計の知見は入社後に学べるが、人材育成への関心は前提として問われる

働き方の傾向 落ち着いている

月の残業は目安15〜25時間程度。研修シーズン(新卒入社時期など)は準備・運営が重なり増えやすいが、それ以外は比較的スケジュールが読みやすい

年収の中央値(参考) 500万円〜700万円

求人の中心的なレンジ。マネージャー職やタレントマネジメント専任はさらに上振れすることもある

業務内容
  • 階層別研修(新入社員・中堅・管理職向け等)の企画・運営
  • 研修カリキュラムの作成、外部研修・講師の選定
  • 資格取得支援制度・eラーニングサービスの導入運用
  • 研修効果の検証・改善
具体的な業務イメージ

企画・準備期間は資料作成やカリキュラム設計、実施週は研修当日の運営・ファシリテーションが中心になります。年間で新入社員研修から管理職研修まで数本〜十数本のプログラムを企画・運営するのが一般的な目安で、1回あたりの受講対象者が数十人規模になることもあります。研修スライド・テキストの作成にはPowerPointでの構成力、受講者アンケートや評価データの集計にはExcelでの分析力が求められ、アンケート結果をもとに次回の内容を改善するサイクルを回します。

この仕事のやりがい
  • 研修を受けた社員が、後日「役に立った」と言ってくれる瞬間
  • 育成した人材が数年後に活躍している姿を組織の中で見届けられる
  • 研修設計・ファシリテーションのスキルが体系的に磨かれる
向いている人
  • 人の成長を長い目で見守るのが好きな人
  • 研修コンテンツを分かりやすく設計・構成するのが得意な人
  • 大勢の前で話す・場を回すことに抵抗がない人
向いていない人
  • 研修の効果が数字にすぐ表れないことにもどかしさを感じる人
  • 単発の成果より、じっくり積み上げる仕事の方が好みな人
  • 決まったカリキュラムを運用するより、自由に企画したい人
つまずきやすいポイント
  • 研修の効果測定が難しく、成果を説明しづらい
  • 現場から「研修より実務優先」という温度差を感じることがある
  • 外部ベンダーとの調整や予算管理に時間を取られやすい
必要スキル
研修設計力 ファシリテーション力 効果測定・分析力 外部ベンダー折衝力 プレゼンテーション力
その後のキャリアパス例
  • 人材開発の専門職(タレントマネジメント=社員の能力・適性データを活用した配置・育成の仕組みづくり)へ
  • 人事制度企画・HRBPへ
育成 × スタートアップ・中小

オンボーディング設計担当

代表例 オンボーディング設計担当 育成〜採用兼任の人事

決まった研修制度がまだない中で、新しく入った人がスムーズに立ち上がれるようオンボーディング(新しく入った人が早期に活躍できるよう支援する受け入れの仕組み)を一から作ります。マニュアル整備や1on1の設計、現場マネージャーへの育成サポートなど、「人が育つ仕組み」そのものを構築していく仕事です。

未経験からの難易度 未経験歓迎

体系だった研修経験より、仕組み作りへの当事者意識が重視されやすい

働き方の傾向 波がある

月の残業は目安20〜30時間程度。入社ラッシュのタイミングでオンボーディング業務が集中しやすい

年収の中央値(参考) 350万円〜550万円

情報が少なく参考程度。近い職務(育成・採用兼任の人事)の求人データを参考にした

業務内容
  • オンボーディング設計・実施を一人で担当
  • 研修コンテンツの内製作成(資料・動画等)
  • 社内勉強会・スキルアップ支援制度の立ち上げ
  • 育成計画の策定から効果測定までを兼任
具体的な業務イメージ

入社者を迎える週はオリエンテーションや1on1(上司・メンバーとの個別面談)の設計・同席が中心になり、それ以外の期間はマニュアルや研修コンテンツの作成に時間を使います。スタートアップでは月に数名〜十数名規模の入社が続くこともあり、入社者一人ひとりに合わせたオンボーディング計画を組むのが特徴です。マニュアルやガイドの作成にはWordやNotionのようなドキュメントツール、研修スライドの作成にはPowerPointが使われ、決まったフォーマットがない分、資料の型そのものを自分で設計する力が求められます。

この仕事のやりがい
  • 自分が作った仕組みで、新しく入った人が早く活躍できるようになる手応え
  • 「育成の仕組み」がまだない会社に、ゼロから土台を作れる裁量
  • 会社の成長とともに、自分が整備した制度が組織の資産になっていく
向いている人
  • 決まった型がない中で、仕組みを一から作るのが好きな人
  • 現場のマネージャーを巻き込みながら進める調整力がある人
  • 育成以外の業務(採用や労務)も兼任することに抵抗がない人
向いていない人
  • 整った研修プログラムを運用する方が得意な人
  • 一つの専門領域に集中して深めたい人
  • 少人数で幅広く動くより、大きな組織で専門性を発揮したい人
つまずきやすいポイント
  • 育成にかけられる予算や時間が限られ、工夫を求められる
  • 現場が忙しく、育成施策への協力を得づらいことがある
  • 仕組みを作っても、組織の急拡大にすぐ追いつかなくなる
必要スキル
仕組み化・マニュアル設計力 現場マネージャーとの調整力 オンボーディング設計力 マルチタスク管理力 巻き込み力
その後のキャリアパス例
  • 人事責任者(採用〜育成〜制度を統括)へ
  • 大手企業の人材開発職への転身も
労務 × 大手企業

労務・給与計算スペシャリスト

代表例 給与計算担当 社会保険手続き担当 労務コンプライアンス担当

毎月の給与計算や社会保険の手続き、勤怠管理など、正確性とスケジュール厳守が求められる定型業務を中心に担当します。従業員数が多い分、一つのミスが与える影響も大きく、法改正への対応やシステム運用など、専門性を積み上げていく仕事です。

未経験からの難易度 業界経験があると有利

社労士等の資格がなくても始められるが、給与計算・社会保険の基礎知識があると採用で有利

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安15〜25時間程度。通常期は比較的落ち着いているが、給与計算の締め日や年末調整の時期は繁忙期になりやすい

年収の中央値(参考) 400万円〜600万円

求人の中心的なレンジ。社労士資格保有者や上級ポジションはさらに上振れすることもある

業務内容
  • 給与計算・賞与計算、給与明細発行
  • 社会保険・雇用保険の各種手続き
  • 年末調整、住民税・所得税関連の対応
  • 就業規則・諸規程の整備、労働時間管理
具体的な業務イメージ

月中は勤怠データの確認・給与計算システムへの入力チェック、給与支給日前後は計算結果の確認・振込データ作成に追われるというサイクルが基本です。大手企業では数百〜数千人規模の従業員の給与・社会保険手続きを、複数人のチームで分担して担当します。給与計算・勤怠データの集計にはExcelと専用の給与計算システムを併用することが多く、年末調整の時期(10〜12月頃)は扶養控除申告書のチェックや年税額の再計算で例年、業務量が大きく増えます。

この仕事のやりがい
  • 正確な給与計算・手続きが、従業員の生活を土台から支えている実感
  • 法改正への対応など、専門性が積み上がっていく手応え
  • ミスなく回せたときの、地道な達成感
向いている人
  • 正確性・締切厳守を徹底できる人
  • 法改正や制度変更を継続的にキャッチアップするのが苦にならない人
  • ルーティン業務をコツコツ積み上げるのが得意な人
向いていない人
  • 変化の少ないルーティン業務にモチベーションを保てない人
  • 細かい数字のチェック作業が苦手な人
  • 自分のペースより締切に追われる働き方がストレスになる人
つまずきやすいポイント
  • ミスが給与や社会保険という生活に直結する分、プレッシャーが大きい
  • 法改正のたびにルールが変わり、キャッチアップが追いつかないことがある
  • 繁忙期(年末調整・賞与計算など)は業務が集中し残業になりやすい
必要スキル
給与計算の正確性 労働法・社会保険の知識 勤怠管理システムの運用力 スケジュール管理力 法改正対応力
その後のキャリアパス例
  • 労務のスペシャリスト(社労士資格取得など)へ
  • 人事制度企画・HRBPへ
労務 × スタートアップ・中小

一人労務担当

代表例 労務〜総務兼任の人事 一人労務担当

給与計算から社会保険手続き、就業規則の整備、勤怠管理システムの選定まで、労務まわりをほぼ一人で担当することが多い仕事です。制度がまだ整っていない会社も多く、「何もないところから労務の基盤を作る」役割を担うことになります。

未経験からの難易度 業界経験があると有利

労務の基礎知識は前提として求められるが、制度設計から任される裁量がある

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安20〜30時間程度。一人で担当領域が広いため、繁忙期以外も業務量が読みにくい

年収の中央値(参考) 350万円〜550万円

求人の中心的なレンジ。労務以外の総務業務も兼任する分、担当範囲の広さの割に基本給は控えめな傾向

業務内容
  • 給与計算から社会保険手続きまでを一人で対応
  • 就業規則をゼロから策定
  • 勤怠・労務まわりのバックオフィス制度の立ち上げ
  • 労務トラブル・従業員からの相談対応
具体的な業務イメージ

給与計算・社会保険手続きといった定型業務と、就業規則の整備や労務相談対応といった非定型業務が入り混じります。従業員数十人〜100人規模の会社を一人でカバーすることが多く、締め日前後は給与計算に、それ以外の期間は制度整備やシステム導入に時間を使う、というメリハリが生まれやすいです。給与計算にはクラウド給与ソフトとExcelを併用し、就業規則や諸規程の作成にはWordでの文書作成力が求められます。相談窓口を兼ねることも多く、従業員一人ひとりの状況に応じた個別対応力も必要です。

この仕事のやりがい
  • 何もないところから、会社の労務基盤を自分の手で作り上げる達成感
  • 制度が整うたびに、従業員から直接感謝される機会が多い
  • 労務全般の実務経験を、幅広く一気に積める
向いている人
  • 一人で幅広い業務を回すことに抵抗がない人
  • 制度がない中でも、自分で調べて仕組みを作れる人
  • 従業員との距離が近い環境で働きたい人
向いていない人
  • 分業体制の中で一つの専門領域を深めたい人
  • 相談できる先輩や体制が整っていないと不安になりやすい人
  • ミスへのプレッシャーを一人で抱えることに強いストレスを感じる人
つまずきやすいポイント
  • 一人体制のため、ミスや対応漏れのリスクを自分だけで背負いやすい
  • 制度が未整備な分、判断に迷う場面で相談相手がいないことがある
  • 労務以外の総務・採用業務も兼任し、業務範囲が膨らみやすい
必要スキル
労働法・社会保険の知識 制度設計力 一人で回す業務管理力 就業規則の整備力 従業員対応力
その後のキャリアパス例
  • 人事責任者(労務〜制度を統括)へ
  • 社労士資格を取得し独立・専門職へ
人事制度企画 × 大手企業

制度設計担当

代表例 人事制度設計担当 評価制度企画 報酬・等級制度設計

評価制度や等級制度、報酬体系といった「人事の仕組みそのもの」を設計・改定する仕事です。経営方針や事業戦略を踏まえながら、他部署や経営層と合意形成を重ね、大きな組織全体に影響する制度を作り上げていきます。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

人事の他領域(採用や労務)を経験してから配属されることが多い

働き方の傾向 落ち着いている

月の残業は目安15〜25時間程度。制度改定のタイミング(導入直前・説明会シーズン等)以外は比較的スケジュールが読みやすい

年収の中央値(参考) 600万円〜800万円

求人の中心的なレンジ。経験年数や担当範囲(グループ全体・海外含む等)によりさらに上振れすることもある

業務内容
  • 等級制度・評価制度・報酬制度の設計
  • 既存人事制度の運用・改定
  • サクセッションプラン(次期リーダー候補の育成計画)・タレントマネジメントの企画
  • M&A・組織再編に伴う人事制度の統合
具体的な業務イメージ

制度設計プロジェクトの期間中は他部署へのヒアリングや経営層向け提案資料の作成、通常期は既存制度の運用・問い合わせ対応が中心になります。評価制度や報酬制度の改定は、検討開始から導入まで半年〜1年程度かかることも珍しくなく、対象は全社員(大手企業では数百〜数千人規模)に及びます。経営層向けの提案資料にはPowerPointでの構成力、新制度導入による給与インパクトのシミュレーションにはExcelでの数値分析力が求められ、複数部署の意見を調整しながら合意形成を進める力も重要です。

この仕事のやりがい
  • 自分が設計した制度が、会社全体の働き方や評価のあり方を変えていく手応え
  • 経営層と近い距離で、会社の方向性そのものに関わる仕事ができる
  • 制度が浸透し、現場から前向きな反応が返ってきたときの達成感
向いている人
  • 抽象的な経営方針を、具体的な制度・仕組みに落とし込むのが得意な人
  • 多くの部署・立場の意見を調整しながら合意形成できる人
  • 中長期的な視点で物事を設計するのが好きな人
向いていない人
  • 成果がすぐに数字で見える仕事の方が好みな人
  • 制度改定への反発や調整の手間にストレスを感じやすい人
  • 現場の個別対応より、全体設計を考える方が苦手な人
つまずきやすいポイント
  • 制度変更は影響範囲が広く、合意形成に時間がかかる
  • 現場からの反発や不満の声を受け止める場面が多い
  • 制度を作っても浸透・運用がうまくいかないと成果として見えにくい
必要スキル
制度設計力 経営視点での企画力 合意形成力 データ分析力 労働法の知識
その後のキャリアパス例
  • 人事制度企画のスペシャリストへ
  • HRBP・人事責任者へ
人事制度企画 × スタートアップ・中小

制度ゼロイチ設計担当

代表例 制度〜労務兼任の人事企画担当 評価制度の立ち上げ担当

評価制度や等級制度がまだ存在しない、あるいは形だけの会社で、経営陣と直接話しながら制度をゼロから設計します。大手のような前例やフォーマットがない分、自社の事業フェーズや価値観に合わせて、手探りで仕組みを作り上げていく仕事です。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

制度の全体設計には、人事の実務経験が前提として求められやすい

働き方の傾向 波がある

月の残業は目安20〜30時間程度。経営陣の意思決定タイミングに合わせて、作業が集中することがある

年収の中央値(参考) 500万円〜700万円

求人の中心的なレンジ。経営陣に近い分、実務経験者はこのレンジの上限寄りで採用されることが多い

業務内容
  • 人事制度(等級・評価・報酬)をゼロから設計・構築
  • 制度の叩き台作成から社員説明会までを一人で担当
  • 組織拡大フェーズに合わせた等級制度の見直し
  • 評価シート・給与テーブルの運用設計
具体的な業務イメージ

経営陣とのディスカッションや制度の叩き台作成、固まった内容を社員向けに説明する準備が中心になります。従業員数十人〜100人規模の組織を対象に、等級・評価・報酬の骨格を一から作るため、参考にできる前例が社内になく、他社事例のリサーチと自社への当てはめを行き来しながら進めます。給与テーブルや評価シートの設計にはExcelでの数値管理、社員説明会用の資料にはPowerPointでの構成力が求められ、経営陣への説明と現場社員への説明で、同じ内容でも伝え方を変える工夫も必要です。

この仕事のやりがい
  • 会社の成長フェーズに合わせて、制度をゼロから自由に設計できる裁量
  • 経営陣と直接議論しながら、会社の根幹に関わる意思決定に参加できる
  • 自分が作った制度が、会社の文化として根付いていく過程に立ち会える
向いている人
  • 前例やフォーマットがない中で、ゼロから設計するのが得意な人
  • 経営陣と対等に議論できるコミュニケーション力がある人
  • 事業フェーズの変化に合わせて、柔軟に制度を見直せる人
向いていない人
  • 整ったフォーマットや前例を参考にしながら進めたい人
  • 経営陣との距離が近い環境にプレッシャーを感じる人
  • 一度作った制度を長く安定的に運用したい人
つまずきやすいポイント
  • 参考にできる前例が社内になく、手探りで進める負担が大きい
  • 事業の急成長・急変化で、作った制度がすぐに合わなくなることがある
  • 制度企画以外の労務・採用業務も兼任し、専念しづらいことがある
必要スキル
ゼロからの制度設計力 経営陣との折衝力 事業理解力 柔軟な仕組み化力 巻き込み力
その後のキャリアパス例
  • 人事責任者(組織開発を統括)へ
  • 大手企業の人事制度企画職への転身も
HRBP × 大手企業

事業部付きHRBP

代表例 事業部付きHRBP 組織開発担当

HRBP(Human Resource Business Partner)として特定の事業部やグループに入り込み、人事の専門知識を武器に事業責任者の右腕として組織課題の解決に伴走します。採用計画から評価・配置、組織の雰囲気づくりまで、事業側の視点に立ちながら人事施策を実行していく、事業と人事の橋渡し役です。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

採用・労務・制度など人事の他領域を経験した上で任されるポジション

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安20〜30時間程度。事業側の会議に同席する機会が多く、事業の繁閑に働き方が連動しやすい

年収の中央値(参考) 600万円〜800万円

求人の中心的なレンジ。マネージャー・CHRO候補クラスはさらに上振れすることが多い

業務内容
  • 事業部の人材要件定義、人材データの把握・分析
  • 組織サーベイ・エンゲージメント(従業員の満足度・愛着度)分析
  • 事業戦略に基づく人材配置・育成計画の立案
  • 事業部長・経営層への人事施策提案
具体的な業務イメージ

事業部の定例会議やマネージャーとの1on1への同席、組織サーベイのデータ分析、事業部長への施策提案資料の作成などが中心になります。1人で数十〜100人規模の事業部を担当することが多く、月1回程度の頻度で組織サーベイの結果を確認し、離職の兆候やチームの課題を早期に察知する動きが求められます。サーベイデータの集計・分析にはExcel、事業部長・経営層向けの提案資料にはPowerPointでの構成力が必要で、人事の専門知識を事業側にも伝わる言葉に翻訳する力が問われます。

この仕事のやりがい
  • 事業責任者から「相談してよかった」と頼られる存在になれる
  • 人事施策が事業の数字(売上・組織の活性度)に直結する手応えを感じられる
  • 事業と人事の両方の視点を持つ、市場価値の高い経験が積める
向いている人
  • 事業の数字やビジネスの構造にも関心がある人
  • 経営層・事業責任者と対等に議論できる人
  • 人事の専門知識をビジネス課題の解決に応用するのが得意な人
向いていない人
  • 人事の実務(採用・労務など)に専念したい人
  • 事業側の急な要望に振り回されることにストレスを感じる人
  • 明確な役割分担の中で仕事をしたい人
つまずきやすいポイント
  • 人事と事業側、双方の期待値のギャップに板挟みになりやすい
  • 成果が事業側の数字に依存するため、評価が読みにくいことがある
  • 役割の幅が広く、専門性が拡散しているように感じることがある
必要スキル
事業理解力 経営層との折衝力 組織課題の診断力 人事の総合知識 傾聴力
その後のキャリアパス例
  • 人事責任者(CHRO=最高人事責任者 候補)へ
  • 事業側のマネジメント職への転身も
HRBP × スタートアップ・中小

経営陣直下の組織づくり担当

代表例 経営陣直下のHRBP 組織づくり担当マネージャー

HRBP(Human Resource Business Partner)として経営陣のすぐそばで、採用から制度設計、組織文化の醸成まで、組織づくり全般に横断的に関わります。事業のスピードに合わせて人事施策を素早く実行する必要があり、専任の人事部門がまだない会社では、実質的に人事機能そのものを担うポジションになることもあります。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

人事の幅広い実務経験に加え、経営視点も求められるポジション

働き方の傾向 波がある

月の残業は目安25〜35時間程度。経営の意思決定や事業フェーズの変化に応じて、優先順位が頻繁に変わる

年収の中央値(参考) 700万円〜900万円

求人の中心的なレンジ。事業責任者に近い裁量を持つ分、大手企業のHRBPより上振れしやすい

業務内容
  • 採用〜配置〜育成までを事業部単位で一気通貫に担当
  • 経営陣と伴走した組織課題の特定・解決
  • 拡大期の組織設計・制度整備を兼任
  • 組織文化・エンゲージメント施策の企画実行
具体的な業務イメージ

経営会議への出席、組織課題のヒアリング、採用〜制度整備まで幅広い実務のいずれかに時間を使う、という組み合わせで決まった型がありません。専任の人事部門がまだない会社では、実質的に一人で人事機能全体(数十人規模の組織)をカバーすることもあります。人員計画や組織図の整理にはExcel、週次の経営会議で使う報告資料にはPowerPointでの構成力が求められ、経営陣の意思決定スピードに合わせて資料も素早く作る瞬発力が必要です。

この仕事のやりがい
  • 経営陣の一員に近い立場で、会社の組織づくりそのものに関われる
  • 会社の急成長を、組織・人の面から直接支えている実感
  • 裁量が大きく、自分の判断で施策を素早く実行できる
向いている人
  • 経営視点を持ちながら、現場の実務にも自分で手を動かせる人
  • 変化の速い環境で、優先順位を柔軟に組み替えられる人
  • 専任部門がない中でも、人事機能を一人で幅広く担える人
向いていない人
  • 明確に定義された役割の中で専門性を発揮したい人
  • 経営陣との距離が近い環境にプレッシャーを感じる人
  • 腰を据えて一つの制度を作り込みたい人
つまずきやすいポイント
  • 業務範囲が広すぎて、どこに優先度を置くべきか迷いやすい
  • 経営陣の意思決定スピードに、人事施策の実行が追いつかないことがある
  • 相談できる人事の先輩や体制が社内にないことが多い
必要スキル
経営視点での意思決定力 人事の総合実務力 事業理解力 スピード感のある実行力 巻き込み力
その後のキャリアパス例
  • CHRO(最高人事責任者)・人事責任者へ
  • 大手企業のHRBPへの転身も

掲載の年収はいずれも各パターンの求人情報から算出した中央値の参考レンジです(quickfactsを参照)。経験・スキル・企業規模により変動します。

相性の良い転職エージェントは人によって違います。求人の量や、担当者との相性を見るためにも、2〜3社まとめて登録しておくのがおすすめです。

総合型エージェント

求人数が多く、まず1社目に登録しておきたいタイプ

求人を見る(準備中)
人事・バックオフィス特化エージェント

人事職の求人・選考ノウハウに強いタイプ

求人を見る(準備中)
転職サイト

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