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経理という仕事

経理は仕訳 → 月次 → 年次 → 四半期決算 → 連結決算と、担当できる業務の範囲が経験とともに広がっていく職種です(企業や上場区分によって順序が前後することもあります)。同じフェーズでも上場企業か非上場企業かで求められる速度・正確性・専門性がまったく変わります。今の(あるいは目指す)フェーズと企業区分を選んで、自分に近い経理像を見てみてください。

1条件を選ぶ

業務フェーズ
企業区分

2この組み合わせの傾向

仕訳 × 非上場企業

経理アシスタント(非上場)

代表例 経理アシスタント 記帳担当

日々の取引を会計ソフトに正確に入力する、経理のもっとも基礎的な業務です。請求書や領収書をもとに勘定科目を判断しながら仕訳を切っていきます。中小企業では経理担当者が少人数のため、仕訳から支払い業務まで幅広く任されることもあります。

未経験からの難易度 未経験歓迎

簿記3級程度の知識があれば挑戦しやすく、入社後に学べる会社も多い

働き方の傾向 落ち着いている

月の残業は目安10〜20時間程度。月次・年次決算を担当しない分、締め日以外は比較的落ち着いて働きやすい

年収の中央値(参考) 300万円〜400万円

求人の中心的なレンジ。会社規模や地域により変動

業務内容
  • 仕訳伝票の起票・入力
  • 領収書・請求書などの証憑書類の整理
  • 勘定科目の判定・仕訳計上
  • 試算表(月ごとの収支をまとめた集計表)作成用データ入力(会計ソフトへの入力)
具体的な業務イメージ

届いた請求書・領収書の仕訳入力が1日の中心業務で、慣れれば1日数十件規模の伝票処理をこなせるようになります。仕訳入力には会計ソフト(弥生会計・freee等)を使い、証憑書類(領収書・請求書)の整理・ファイリングや試算表用データの集計にはExcelも併用します。中小企業では担当者が少人数のため、仕訳入力だけでなく支払い処理や請求書発行まで任されることも多く、業務の幅が自然と広がっていきます。

この仕事のやりがい
  • 簿記・会計の基礎を実務の中で着実に身につけられる
  • 数字が合ったときの、地道だが確かな達成感
  • 中小企業なら幅広い業務に触れながら、経理の全体像を早くつかめる
向いている人
  • 細かい数字の入力・照合をコツコツ続けられる人
  • 簿記の基礎知識を実務で活かしたい人
  • ミスなく正確に仕事を進めることに集中したい人
向いていない人
  • 人と話す機会が多い仕事の方が好みな人
  • 単調な入力作業に物足りなさを感じやすい人
  • 早く裁量の大きい仕事を任されたい人
つまずきやすいポイント
  • 勘定科目の判断に迷い、都度確認が必要になることがある
  • 会社によって仕訳のルールが異なり、覚えるまで時間がかかる
  • 入力量が多い時期は、単純作業でも集中力の維持が課題になる
必要スキル
簿記3級レベルの知識 会計ソフトの操作力 正確な入力スキル 勘定科目の理解 スケジュール管理力
その後のキャリアパス例
  • 月次決算業務へステップアップ
  • 経理のリーダーへ
仕訳 × 上場企業

経理アシスタント(上場企業)

代表例 経理アシスタント(上場企業) 経費精算担当

上場企業の経理部門で、日々の仕訳・経費精算のチェックを担当します。取引量が多く、内部統制(不正やミスを防ぐための社内ルール・チェック体制)のルールに沿った厳格な処理が求められるのが特徴です。分業体制が整っているため、まずは仕訳という一つの工程を徹底的に極めることになります。

未経験からの難易度 未経験歓迎

分業体制が整っているため、未経験でも一つの業務に集中して学べる環境が多い

働き方の傾向 落ち着いている

月の残業は目安10〜15時間程度。決算業務を担当しないため、月次・四半期の締め時期でも影響は限定的

年収の中央値(参考) 350万円〜450万円

求人の中心的なレンジ。分業体制の中でのジュニア職を想定

業務内容
  • 仕訳伝票の起票・入力
  • 領収書・請求書などの証憑書類の整理(内部統制ルールに沿った保管)
  • 勘定科目の判定・仕訳計上
  • 会計ソフト入力の承認・チェック対応(J-SOX=上場企業に義務付けられた内部統制評価制度に関する証跡管理)
具体的な業務イメージ

上場企業では取引件数が非常に多く、1人が担当する仕訳は特定の勘定科目や部門に絞られた分業体制が一般的です。1日あたり数十〜100件規模の伝票を処理することもあり、入力した仕訳は上長やシステムによる承認フローを経て確定します。内部統制(J-SOX)のルールに沿って、証憑書類の保管状況や承認履歴をExcelの管理台帳で記録することも多く、「なぜこの仕訳になったか」を第三者が後から追跡できる状態を保つ意識が求められます。

この仕事のやりがい
  • 大企業の内部統制の仕組みを、実務を通じて学べる
  • 正確な処理が徹底された環境で、質の高い実務スキルが身につく
  • 将来的に月次・年次決算へのステップアップが見込みやすい
向いている人
  • ルール・マニュアルに沿って正確に業務を進められる人
  • 大きな組織の中で、着実にステップアップしていきたい人
  • 細かいチェック体制の中で仕事をすることに抵抗がない人
向いていない人
  • 決算のような裁量のある業務にすぐ関わりたい人
  • 分業された一つの工程だけを担当することに物足りなさを感じる人
  • 内部統制の細かいルールを窮屈に感じやすい人
つまずきやすいポイント
  • 取引量が多く、正確性を保ちながらスピードも求められる
  • 内部統制のルールが厳格で、覚えることが多い
  • 一つの工程しか担当できず、経理の全体像が見えにくいと感じることがある
必要スキル
簿記3級レベルの知識 会計ソフトの操作力 内部統制への理解 正確な入力スキル スケジュール管理力
その後のキャリアパス例
  • 月次決算業務へステップアップ
  • 経理の専門職(決算・連結)へ
月次 × 非上場企業

月次決算担当(非上場)

代表例 経理担当(月次決算) 経理リーダー候補

毎月の試算表作成、経費の月次集計、月次損益の確認など、会社の経営状況を毎月タイムリーに把握するための決算業務を担当します。中小企業では一人で月次決算を一通り任されることも多く、経営者への報告資料作成まで関わることもあります。

未経験からの難易度 業界経験があると有利

仕訳業務の経験を積んでからのステップアップが一般的

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安20〜30時間程度。月初の数日間に月次締めの作業が集中し、残業が発生しやすい

年収の中央値(参考) 400万円〜550万円

求人の中心的なレンジ。一人経理として任される業務範囲により上下

業務内容
  • 月次試算表・月次決算書の作成
  • 予算実績(予実)差異分析
  • 経営会議向け資料作成・レポーティング
  • コスト管理・原価分析
具体的な業務イメージ

月初の数日間(3〜5営業日程度)に月次試算表の作成が集中し、それ以外の期間は経費データの確認や予実(予算と実績)の差異分析に時間を使います。試算表や経営会議向け資料の作成にはExcelでの集計・グラフ化が欠かせず、経営者への報告資料はPowerPointにまとめることもあります。中小企業では一人で月次決算を一通り担当することが多く、数字が合わないときの原因究明も自分一人で行う場面が多くなります。

この仕事のやりがい
  • 会社の経営状況をタイムリーに数字で把握できる、経理の中核的な仕事
  • 経営者に近い立場で、数字をもとにした報告・提案ができる
  • 月次決算を一人で回せるようになると、専門性が一気に高まる
向いている人
  • 決められた期限内で、複数の業務を並行して進められる人
  • 数字から会社の状況を読み取ることに興味がある人
  • 経営者や他部署に、数字をわかりやすく説明できる人
向いていない人
  • 決まった期限に追われる働き方にストレスを感じやすい人
  • 経理の全体像より、一つの業務に専念したい人
  • 数字の間違い探しに時間をかけることが苦手な人
つまずきやすいポイント
  • 月初の締め作業に業務が集中し、他の仕事との両立が難しい
  • 数字が合わない原因究明に、想定以上の時間がかかることがある
  • 一人で担当する分、相談相手がおらず判断に迷うことがある
必要スキル
簿記2級レベルの知識 月次試算表の作成力 経営者への報告力 スケジュール管理力 会計ソフトの応用力
その後のキャリアパス例
  • 年次決算・税務申告まで担当する経理へ
  • 経理財務のマネージャーへ
月次 × 上場企業

月次決算担当(上場企業)

代表例 月次決算担当 管理会計担当

上場企業の月次決算を、分業体制の中で担当します。試算表の作成だけでなく、予算実績差異の分析や管理会計資料の作成など、経営判断に使われる数字を扱う機会が増えるのが特徴です。開示スケジュールに沿った厳格な締め切り管理が求められます。

未経験からの難易度 業界経験があると有利

仕訳業務の経験を積んでからのステップアップが前提となることが多い

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安20〜30時間程度。月次の締めスケジュールが厳格に決まっており、期日前は業務が集中する

年収の中央値(参考) 450万円〜600万円

求人の中心的なレンジ。管理会計への関与度により上振れすることも

業務内容
  • 月次試算表・月次決算書の作成
  • 予算実績(予実)差異分析
  • 決算早期化(決算処理にかかる日数の短縮)に向けた月次締めスケジュール管理(四半期開示対応)
  • 取締役会・経営会議向け資料作成
具体的な業務イメージ

上場企業では四半期開示のスケジュールが厳格に決まっており、月次決算は「決算早期化」の方針のもと、締め後わずか数営業日で完了させることが求められます。試算表の作成・予実分析にはExcelでの高度な集計が欠かせず、取締役会・経営会議向けの資料作成にはPowerPointも使います。分業体制の中で自分が担当する範囲は明確ですが、他部門・子会社からのデータ回収が遅れると、自分の作業時間が圧迫されるプレッシャーもあります。

この仕事のやりがい
  • 経営判断に直結する数字を扱う、責任と手応えの大きい仕事
  • 管理会計の知識・スキルが、実務を通じて体系的に身につく
  • 大企業ならではの整った仕組みの中で、専門性を積み上げられる
向いている人
  • 厳格なスケジュール管理の中で、正確に業務を進められる人
  • 数字の分析・報告に興味がある人
  • チームで分業しながら大きな仕事を進めることに抵抗がない人
向いていない人
  • 一人で経理業務を一通り経験したい人
  • 厳格な締め切りに追われる働き方にストレスを感じやすい人
  • 数字の細かい分析作業が苦手な人
つまずきやすいポイント
  • 開示スケジュールが厳格で、遅延が許されないプレッシャーが大きい
  • 分業されているため、決算全体の流れを把握しにくいことがある
  • 予算実績差異の説明を求められ、分析力を試される場面が多い
必要スキル
簿記2級レベルの知識 管理会計の知識 予算実績分析力 スケジュール管理力 会計ソフトの応用力
その後のキャリアパス例
  • 四半期決算・年次決算業務へ
  • 経営企画・FP&A(経営数値の計画・分析を行う部門)へ
年次 × 非上場企業

決算・税務担当(非上場)

代表例 経理マネージャー 決算・税務担当

年次決算書の作成、税務申告書の準備、税理士とのやり取りなど、1年間の会社の成績をまとめ上げる業務を担当します。中小企業では経理の責任者として月次から年次まで一貫して担当することが多く、経営者から頼られる場面が多いポジションです。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

月次決算の経験を積んだ上で、年次決算・税務知識が求められるポジション

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安25〜40時間程度(決算期・申告期に集中し、それ以外の時期は落ち着いている)

年収の中央値(参考) 600万円〜800万円

求人の中心的なレンジ。経理責任者としての裁量・企業規模により上振れすることも

業務内容
  • 年次決算書(貸借対照表・損益計算書)の作成
  • 法人税・消費税等の税務申告書作成
  • 税理士対応・税務調査対応
  • 固定資産・減価償却の年次確定処理
具体的な業務イメージ

決算期(多くの中小企業で3月末や12月末が期末)から2〜3ヶ月の間に、年次決算書の作成と法人税・消費税の申告書準備が集中します。決算整理仕訳や固定資産台帳の年次確定処理にはExcelでの細かい集計作業が欠かせず、税理士とのやり取りでは根拠資料を整理してWordやExcelでまとめる力も必要です。決算期以外は月次決算や日々の経理業務を担当しつつ、次の決算に向けた準備(未処理項目の洗い出し等)を並行して進めます。

この仕事のやりがい
  • 1年間の会社の成績をまとめ上げる、責任の大きい仕事
  • 税理士など社外の専門家と対等にやり取りする経験が積める
  • 経営者から直接頼られる、責任と信頼のあるポジションになれる
向いている人
  • 年間を通じた業務の波を見越して、計画的に仕事を進められる人
  • 税務・会計の専門知識を継続的に深めたい人
  • 会社の経営に近い立場で、数字の責任を持ちたい人
向いていない人
  • 繁忙期の業務集中にストレスを感じやすい人
  • 分業された一部の業務だけに専念したい人
  • 税制改正など継続的な学習が負担に感じられる人
つまずきやすいポイント
  • 決算・申告期は業務が集中し、長時間労働になりやすい
  • 税制改正への対応など、継続的な知識のアップデートが必要
  • 一人で決算を担う責任の重さがプレッシャーになりやすい
必要スキル
簿記2級以上の知識 税務申告の実務知識 決算書作成力 税理士との折衝力 スケジュール管理力
その後のキャリアパス例
  • 経理財務のマネージャー・CFO候補へ
  • 税理士資格を取得し独立へ
年次 × 上場企業

年次決算担当(上場企業)

代表例 年次決算担当 有価証券報告書作成担当

上場企業の年次決算書・有価証券報告書の作成を担当します。監査法人とのやり取りや開示資料の作成など、社外のステークホルダーに向けた高い正確性が求められる業務です。分業体制の中で、決算プロセスの一部を専門性高く担うポジションです。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

月次決算の経験を積んだ上で任されるポジションが多い

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安25〜40時間程度。決算発表・有価証券報告書の提出期限前は業務が大きく集中する

年収の中央値(参考) 550万円〜750万円

求人の中心的なレンジ。開示実務の専門性により上振れすることも

業務内容
  • 年次決算書の作成・取りまとめ
  • 決算短信(決算発表資料)・有価証券報告書(金融庁への年次開示書類)等の開示資料作成
  • 監査法人対応(会計監査への資料提出・質問対応)
  • 法人税等の税務申告書作成
具体的な業務イメージ

決算期末後、決算短信は45日以内、有価証券報告書は3ヶ月以内の提出が求められるため、この期間に監査法人への資料提出・質問対応、開示書類のドラフト作成が集中します。開示資料の数値部分はExcelで集計し、XBRL(有価証券報告書などの開示書類を機械可読形式で作成するための規格)対応の専用システムに入力する作業も発生します。監査法人からの質問には根拠資料を整理して期限内に回答する力が求められ、一つの数字の裏付けを何段階も遡って説明できる正確さが必要です。

この仕事のやりがい
  • 上場企業の決算という、社会的信頼性の高い仕事に関われる
  • 監査法人など高い専門性を持つ相手とのやり取りで、実務力が磨かれる
  • 開示資料が市場に公表される、緊張感とやりがいのある仕事
向いている人
  • 厳格なルール・スケジュールの中で、高い正確性を保てる人
  • 監査法人などの専門家と対等にやり取りできる人
  • 社会的責任の大きい仕事にやりがいを感じる人
向いていない人
  • 決算・開示期の業務集中にストレスを感じやすい人
  • 分業された一部の業務専任より、経理全体を見たい人
  • 監査対応など、細部への厳しいチェックにプレッシャーを感じやすい人
つまずきやすいポイント
  • 開示期限が絶対で、遅延が許されない緊張感が常にある
  • 監査法人からの指摘対応に、想定以上の時間がかかることがある
  • 会計基準の変更への対応など、専門知識のアップデートが欠かせない
必要スキル
簿記2級以上の知識 有価証券報告書作成の知識 監査対応力 会計基準の理解 スケジュール管理力
その後のキャリアパス例
  • 連結決算・IR部門へ
  • 経理財務のマネージャーへ
四半期決算 × 非上場企業

上場準備企業の決算担当

代表例 経理財務担当(上場準備) 上場準備企業の経理

非上場企業でも、IPO準備中の会社などでは四半期ごとの決算体制を整えるフェーズがあります。上場企業並みの開示スピードと精度が求められる一方、体制がまだ整っていないことも多く、仕組みづくりから携われるのが特徴です。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

年次決算の経験に加え、上場準備やIPOの知識があると即戦力になりやすい

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安25〜40時間程度。四半期ごとに締めがあり、通年を通じて業務の波が大きい

年収の中央値(参考) 600万円〜750万円

求人の中心的なレンジ。IPO実務経験の有無により変動しやすい

業務内容
  • 四半期ごとの試算表・決算書作成(IPO準備に向けた早期化)
  • 決算工程の効率化・自動化対応(会計ソフト・スプレッドシート活用)
  • 予実(予算と実績)差異分析資料の作成
  • 監査法人・主幹事証券(IPOで中心的な役割を担う証券会社)とのやり取りに向けた準備対応
具体的な業務イメージ

四半期ごと(年4回)の決算を、まだ整っていない体制の中で回していくのが特徴です。決算工程の多くが手作業で残っていることも多く、Excelのスプレッドシートでの集計・自動化(関数・マクロ)による効率化を、自分の工夫で進めていく場面が多くあります。監査法人・主幹事証券とのやり取りに向けて、決算資料や社内規程を上場企業水準に整備し直す作業も並行して発生し、四半期の締めごとに新しい課題が見つかることも珍しくありません。

この仕事のやりがい
  • 会社の上場準備という大きな節目に、経理の立場から関われる
  • 四半期決算の体制をゼロから作り上げる裁量の大きさ
  • 上場企業レベルの実務経験を、早い段階で積める
向いている人
  • 整っていない体制の中で、仕組みを作っていくのが好きな人
  • スピード感のある決算対応にやりがいを感じる人
  • 会社の成長フェーズに合わせて、柔軟に業務範囲を広げられる人
向いていない人
  • 整った体制・マニュアルの中で仕事を進めたい人
  • 四半期ごとの業務集中にストレスを感じやすい人
  • 上場準備特有の不確実性にプレッシャーを感じやすい人
つまずきやすいポイント
  • 体制が未整備な分、決算のたびに新しい課題が出てくる
  • 上場準備に伴う監査法人・証券会社対応など、経験のない業務が発生する
  • 四半期ごとの締めで、年間を通じて業務の波が大きい
必要スキル
簿記2級以上の知識 四半期決算の実務知識 IPO準備の知識 仕組み化力 監査対応力
その後のキャリアパス例
  • 上場後の連結決算・IR部門へ
  • 経理財務のマネージャーへ
四半期決算 × 上場企業

四半期決算担当(上場企業)

代表例 四半期決算担当 開示資料作成担当

上場企業として義務付けられている四半期ごとの決算・開示業務を担当します。年に4回訪れる締めのたびに、限られた期間で正確な数字をまとめ上げる必要があり、年間を通じて高い緊張感を保ちながら業務にあたる仕事です。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

月次・年次決算の経験を積んだ上で任されることが多いポジション

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安25〜35時間程度。四半期ごとに決算・開示のピークが訪れ、年間を通じて繁忙期が多い

年収の中央値(参考) 600万円〜800万円

求人の中心的なレンジ。役職・企業規模により上下

業務内容
  • 四半期決算書(四半期特有の会計処理含む)の作成
  • 決算短信の作成・開示
  • 監査法人とのやり取り(2024年の制度改正により、四半期のレビューは任意化が進んでいます)
  • 開示スケジュールに沿った早期決算対応
具体的な業務イメージ

年4回(3ヶ月ごと)訪れる決算のたびに、締め後45日以内という短い期間で決算短信の作成・開示までを完了させます。年次決算と同様にExcelでの集計・開示システムへの入力が中心業務ですが、四半期ごとにこのサイクルを繰り返すため、決算が終わってひと息つく間もなく次の四半期の準備に入る、というテンポの速さが特徴です。監査法人とのやり取りは制度改正で任意化が進んでいますが、開示スケジュールに沿った早期決算対応そのものは変わらず求められます。

この仕事のやりがい
  • 四半期ごとに成果が数字としてまとまる、サイクルの速い達成感
  • 短期間で正確な決算をまとめ上げる実務力が磨かれる
  • 市場に公表される数字を扱う、緊張感とやりがいのある仕事
向いている人
  • 短期間で集中的に成果を出すのが得意な人
  • 年間を通じて緊張感を保ちながら仕事を続けられる人
  • 決算業務のサイクルの速さにやりがいを感じる人
向いていない人
  • 落ち着いたペースで長期的に業務を進めたい人
  • 年に4回訪れる繁忙期の負荷にストレスを感じやすい人
  • 短いサイクルでの正確性へのプレッシャーに弱い人
つまずきやすいポイント
  • 四半期ごとに繁忙期が訪れ、年間を通じて休まる時期が少ない
  • 短期間での決算のため、ミスへの許容度が低い
  • 開示直前のトラブルが、そのままスケジュール遅延に直結する
必要スキル
簿記2級以上の知識 四半期決算の実務知識 開示資料作成力 スケジュール管理力 会計基準の理解
その後のキャリアパス例
  • 連結決算・IR部門へ
  • 経理財務のマネージャーへ
連結決算 × 非上場企業

グループ経理担当(非上場)

代表例 グループ経理担当 連結決算担当(非上場グループ)

複数の子会社・関連会社を持つ非上場企業グループで、グループ全体の財務諸表をまとめる連結決算を担当します。各社の経理から数字を集約し、グループ間取引を相殺するなど、単体決算とは異なる専門知識が求められる仕事です。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

単体の年次決算の経験に加え、連結決算特有の知識が求められる

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安20〜35時間程度。各子会社の決算が出揃うタイミングに合わせて、業務が集中する

年収の中央値(参考) 500万円〜700万円

情報が少なく参考程度。非上場グループ限定の連結決算求人はサンプルが少ない

業務内容
  • 連結パッケージ(子会社が親会社に提出する連結決算用の統一フォーマット資料)の回収・取りまとめ
  • 子会社の決算内容の確認・指導
  • グループ間取引の相殺消去(親子会社間の取引を二重計上しないよう打ち消す処理)
  • 連結財務諸表の作成
具体的な業務イメージ

複数(数社〜十数社規模)の子会社から連結パッケージ(統一フォーマットの決算資料)を回収し、内容を突き合わせて連結財務諸表にまとめ上げるのが主な業務です。連結パッケージの回収・相殺消去仕訳の作成にはExcelでの複雑な集計作業が欠かせず、子会社ごとに決算のスピードや精度にばらつきがあるため、提出が遅れている子会社への督促・指導も日常的な業務になります。単体決算とは異なる専門知識(グループ間取引の相殺消去等)を扱う分、子会社の経理担当者との粘り強いやり取りが求められます。

この仕事のやりがい
  • グループ全体の経営状況を数字で把握できる、視座の高い仕事
  • 連結決算という専門性の高いスキルが、実務を通じて磨かれる
  • 複数の子会社とやり取りしながら、グループ経営の一端を担える
向いている人
  • 複数の会社の数字を横断的に管理・分析するのが得意な人
  • グループ経営全体を見渡す視座を持ちたい人
  • 子会社の経理担当者と粘り強くやり取りできる人
向いていない人
  • 単体の会社の経理だけに専念したい人
  • 各社とのやり取りが多い分、調整業務にストレスを感じやすい人
  • 専門性の高い連結会計の学習を負担に感じる人
つまずきやすいポイント
  • 子会社ごとに決算のスピード・精度にばらつきがあり、集約に苦労する
  • 連結特有の会計処理(相殺消去など)の理解に時間がかかる
  • 子会社側の協力が得られないと、スケジュールが遅延しやすい
必要スキル
連結会計の知識 グループ間取引の理解 子会社との調整力 簿記1級レベルの知識 スケジュール管理力
その後のキャリアパス例
  • 経理財務のマネージャー・CFO候補へ
  • 上場準備企業の連結決算責任者へ
連結決算 × 上場企業

グループ経理担当(上場企業)

代表例 連結決算担当 グループ経理部門

上場企業グループの連結財務諸表を作成する、経理の中でも専門性の高いポジションです。国内外の子会社の数字を集約し、会計基準に沿って連結決算書を作成、監査法人の監査対応まで担います。専門性の高さから注目されることが多い業務です。

未経験からの難易度 業界・実務経験推奨

単体の年次・四半期決算の経験を積んだ上で任される、専門性の高いポジション

働き方の傾向 やや忙しめ

月の残業は目安25〜40時間程度。四半期ごとの連結決算・開示スケジュールに合わせて、業務が集中する

年収の中央値(参考) 550万円〜750万円

求人の中心的なレンジ。USCPA等の専門資格や語学力で上振れすることも

業務内容
  • 連結パッケージ(子会社が親会社に提出する連結決算用の統一フォーマット資料)の回収・取りまとめ
  • 子会社の決算内容の確認・指導
  • 連結財務諸表・有価証券報告書等の開示資料作成(金商法=金融商品取引法に基づく開示対応)
  • 監査法人対応(どの子会社を連結対象に含めるか(連結範囲)や、のれん(M&Aで生じる買収差額)といった論点への対応)
具体的な業務イメージ

国内外の子会社(規模によっては数十社)から連結パッケージを回収し、会計基準に沿って連結財務諸表にまとめ上げます。専用の連結会計システムとExcelを併用し、海外子会社を含む場合は現地通貨の換算・時差を考慮したやり取りも発生します。監査法人からは「連結範囲(どの子会社を連結対象に含めるか)」や「のれん(M&Aで生じる買収差額)の会計処理」といった専門的な論点について質問が来ることも多く、それに答えられるだけの高度な会計知識が求められます。

この仕事のやりがい
  • 上場企業グループ全体の数字をまとめ上げる、経理キャリアの集大成といえる仕事
  • 高度な会計知識・専門性が、市場価値の高いスキルとして積み上がる
  • 国内外の子会社と連携しながら、グローバルな視座で経営を見られる
向いている人
  • 高度な会計基準・専門知識を継続的に学び続けられる人
  • 複数の子会社・関係者と粘り強く調整できる人
  • グループ経営という大きな視座で仕事をしたい人
向いていない人
  • 単体決算のようなシンプルな業務に専念したい人
  • 四半期ごとの業務集中にストレスを感じやすい人
  • 高度な専門知識の習得を負担に感じる人
つまずきやすいポイント
  • 海外子会社を含む場合、時差や会計基準の違いへの対応が発生する
  • 連結特有の会計処理は難易度が高く、習得に時間がかかる
  • 開示スケジュールが厳格で、遅延が一切許されない緊張感がある
必要スキル
連結会計の知識 簿記1級・USCPA(米国公認会計士)等の専門知識 監査対応力 子会社との調整力 語学力(海外子会社がある場合)
その後のキャリアパス例
  • 経理財務のマネージャー・CFO候補へ
  • IR(投資家向け広報)・経営企画部門へ

掲載の年収はいずれも各パターンの求人情報から算出した中央値の参考レンジです(quickfactsを参照)。経験・スキル・企業規模により変動します。

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