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経理は仕訳 → 月次 → 年次 → 四半期決算 → 連結決算と、担当できる業務の範囲が経験とともに広がっていく職種です(企業や上場区分によって順序が前後することもあります)。同じフェーズでも上場企業か非上場企業かで求められる速度・正確性・専門性がまったく変わります。今の(あるいは目指す)フェーズと企業区分を選んで、自分に近い経理像を見てみてください。
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日々の取引を会計ソフトに正確に入力する、経理のもっとも基礎的な業務です。請求書や領収書をもとに勘定科目を判断しながら仕訳を切っていきます。中小企業では経理担当者が少人数のため、仕訳から支払い業務まで幅広く任されることもあります。
簿記3級程度の知識があれば挑戦しやすく、入社後に学べる会社も多い
月の残業は目安10〜20時間程度。月次・年次決算を担当しない分、締め日以外は比較的落ち着いて働きやすい
求人の中心的なレンジ。会社規模や地域により変動
届いた請求書・領収書の仕訳入力が1日の中心業務で、慣れれば1日数十件規模の伝票処理をこなせるようになります。仕訳入力には会計ソフト(弥生会計・freee等)を使い、証憑書類(領収書・請求書)の整理・ファイリングや試算表用データの集計にはExcelも併用します。中小企業では担当者が少人数のため、仕訳入力だけでなく支払い処理や請求書発行まで任されることも多く、業務の幅が自然と広がっていきます。
上場企業の経理部門で、日々の仕訳・経費精算のチェックを担当します。取引量が多く、内部統制(不正やミスを防ぐための社内ルール・チェック体制)のルールに沿った厳格な処理が求められるのが特徴です。分業体制が整っているため、まずは仕訳という一つの工程を徹底的に極めることになります。
分業体制が整っているため、未経験でも一つの業務に集中して学べる環境が多い
月の残業は目安10〜15時間程度。決算業務を担当しないため、月次・四半期の締め時期でも影響は限定的
求人の中心的なレンジ。分業体制の中でのジュニア職を想定
上場企業では取引件数が非常に多く、1人が担当する仕訳は特定の勘定科目や部門に絞られた分業体制が一般的です。1日あたり数十〜100件規模の伝票を処理することもあり、入力した仕訳は上長やシステムによる承認フローを経て確定します。内部統制(J-SOX)のルールに沿って、証憑書類の保管状況や承認履歴をExcelの管理台帳で記録することも多く、「なぜこの仕訳になったか」を第三者が後から追跡できる状態を保つ意識が求められます。
毎月の試算表作成、経費の月次集計、月次損益の確認など、会社の経営状況を毎月タイムリーに把握するための決算業務を担当します。中小企業では一人で月次決算を一通り任されることも多く、経営者への報告資料作成まで関わることもあります。
仕訳業務の経験を積んでからのステップアップが一般的
月の残業は目安20〜30時間程度。月初の数日間に月次締めの作業が集中し、残業が発生しやすい
求人の中心的なレンジ。一人経理として任される業務範囲により上下
月初の数日間(3〜5営業日程度)に月次試算表の作成が集中し、それ以外の期間は経費データの確認や予実(予算と実績)の差異分析に時間を使います。試算表や経営会議向け資料の作成にはExcelでの集計・グラフ化が欠かせず、経営者への報告資料はPowerPointにまとめることもあります。中小企業では一人で月次決算を一通り担当することが多く、数字が合わないときの原因究明も自分一人で行う場面が多くなります。
上場企業の月次決算を、分業体制の中で担当します。試算表の作成だけでなく、予算実績差異の分析や管理会計資料の作成など、経営判断に使われる数字を扱う機会が増えるのが特徴です。開示スケジュールに沿った厳格な締め切り管理が求められます。
仕訳業務の経験を積んでからのステップアップが前提となることが多い
月の残業は目安20〜30時間程度。月次の締めスケジュールが厳格に決まっており、期日前は業務が集中する
求人の中心的なレンジ。管理会計への関与度により上振れすることも
上場企業では四半期開示のスケジュールが厳格に決まっており、月次決算は「決算早期化」の方針のもと、締め後わずか数営業日で完了させることが求められます。試算表の作成・予実分析にはExcelでの高度な集計が欠かせず、取締役会・経営会議向けの資料作成にはPowerPointも使います。分業体制の中で自分が担当する範囲は明確ですが、他部門・子会社からのデータ回収が遅れると、自分の作業時間が圧迫されるプレッシャーもあります。
年次決算書の作成、税務申告書の準備、税理士とのやり取りなど、1年間の会社の成績をまとめ上げる業務を担当します。中小企業では経理の責任者として月次から年次まで一貫して担当することが多く、経営者から頼られる場面が多いポジションです。
月次決算の経験を積んだ上で、年次決算・税務知識が求められるポジション
月の残業は目安25〜40時間程度(決算期・申告期に集中し、それ以外の時期は落ち着いている)
求人の中心的なレンジ。経理責任者としての裁量・企業規模により上振れすることも
決算期(多くの中小企業で3月末や12月末が期末)から2〜3ヶ月の間に、年次決算書の作成と法人税・消費税の申告書準備が集中します。決算整理仕訳や固定資産台帳の年次確定処理にはExcelでの細かい集計作業が欠かせず、税理士とのやり取りでは根拠資料を整理してWordやExcelでまとめる力も必要です。決算期以外は月次決算や日々の経理業務を担当しつつ、次の決算に向けた準備(未処理項目の洗い出し等)を並行して進めます。
上場企業の年次決算書・有価証券報告書の作成を担当します。監査法人とのやり取りや開示資料の作成など、社外のステークホルダーに向けた高い正確性が求められる業務です。分業体制の中で、決算プロセスの一部を専門性高く担うポジションです。
月次決算の経験を積んだ上で任されるポジションが多い
月の残業は目安25〜40時間程度。決算発表・有価証券報告書の提出期限前は業務が大きく集中する
求人の中心的なレンジ。開示実務の専門性により上振れすることも
決算期末後、決算短信は45日以内、有価証券報告書は3ヶ月以内の提出が求められるため、この期間に監査法人への資料提出・質問対応、開示書類のドラフト作成が集中します。開示資料の数値部分はExcelで集計し、XBRL(有価証券報告書などの開示書類を機械可読形式で作成するための規格)対応の専用システムに入力する作業も発生します。監査法人からの質問には根拠資料を整理して期限内に回答する力が求められ、一つの数字の裏付けを何段階も遡って説明できる正確さが必要です。
非上場企業でも、IPO準備中の会社などでは四半期ごとの決算体制を整えるフェーズがあります。上場企業並みの開示スピードと精度が求められる一方、体制がまだ整っていないことも多く、仕組みづくりから携われるのが特徴です。
年次決算の経験に加え、上場準備やIPOの知識があると即戦力になりやすい
月の残業は目安25〜40時間程度。四半期ごとに締めがあり、通年を通じて業務の波が大きい
求人の中心的なレンジ。IPO実務経験の有無により変動しやすい
四半期ごと(年4回)の決算を、まだ整っていない体制の中で回していくのが特徴です。決算工程の多くが手作業で残っていることも多く、Excelのスプレッドシートでの集計・自動化(関数・マクロ)による効率化を、自分の工夫で進めていく場面が多くあります。監査法人・主幹事証券とのやり取りに向けて、決算資料や社内規程を上場企業水準に整備し直す作業も並行して発生し、四半期の締めごとに新しい課題が見つかることも珍しくありません。
上場企業として義務付けられている四半期ごとの決算・開示業務を担当します。年に4回訪れる締めのたびに、限られた期間で正確な数字をまとめ上げる必要があり、年間を通じて高い緊張感を保ちながら業務にあたる仕事です。
月次・年次決算の経験を積んだ上で任されることが多いポジション
月の残業は目安25〜35時間程度。四半期ごとに決算・開示のピークが訪れ、年間を通じて繁忙期が多い
求人の中心的なレンジ。役職・企業規模により上下
年4回(3ヶ月ごと)訪れる決算のたびに、締め後45日以内という短い期間で決算短信の作成・開示までを完了させます。年次決算と同様にExcelでの集計・開示システムへの入力が中心業務ですが、四半期ごとにこのサイクルを繰り返すため、決算が終わってひと息つく間もなく次の四半期の準備に入る、というテンポの速さが特徴です。監査法人とのやり取りは制度改正で任意化が進んでいますが、開示スケジュールに沿った早期決算対応そのものは変わらず求められます。
複数の子会社・関連会社を持つ非上場企業グループで、グループ全体の財務諸表をまとめる連結決算を担当します。各社の経理から数字を集約し、グループ間取引を相殺するなど、単体決算とは異なる専門知識が求められる仕事です。
単体の年次決算の経験に加え、連結決算特有の知識が求められる
月の残業は目安20〜35時間程度。各子会社の決算が出揃うタイミングに合わせて、業務が集中する
情報が少なく参考程度。非上場グループ限定の連結決算求人はサンプルが少ない
複数(数社〜十数社規模)の子会社から連結パッケージ(統一フォーマットの決算資料)を回収し、内容を突き合わせて連結財務諸表にまとめ上げるのが主な業務です。連結パッケージの回収・相殺消去仕訳の作成にはExcelでの複雑な集計作業が欠かせず、子会社ごとに決算のスピードや精度にばらつきがあるため、提出が遅れている子会社への督促・指導も日常的な業務になります。単体決算とは異なる専門知識(グループ間取引の相殺消去等)を扱う分、子会社の経理担当者との粘り強いやり取りが求められます。
上場企業グループの連結財務諸表を作成する、経理の中でも専門性の高いポジションです。国内外の子会社の数字を集約し、会計基準に沿って連結決算書を作成、監査法人の監査対応まで担います。専門性の高さから注目されることが多い業務です。
単体の年次・四半期決算の経験を積んだ上で任される、専門性の高いポジション
月の残業は目安25〜40時間程度。四半期ごとの連結決算・開示スケジュールに合わせて、業務が集中する
求人の中心的なレンジ。USCPA等の専門資格や語学力で上振れすることも
国内外の子会社(規模によっては数十社)から連結パッケージを回収し、会計基準に沿って連結財務諸表にまとめ上げます。専用の連結会計システムとExcelを併用し、海外子会社を含む場合は現地通貨の換算・時差を考慮したやり取りも発生します。監査法人からは「連結範囲(どの子会社を連結対象に含めるか)」や「のれん(M&Aで生じる買収差額)の会計処理」といった専門的な論点について質問が来ることも多く、それに答えられるだけの高度な会計知識が求められます。
掲載の年収はいずれも各パターンの求人情報から算出した中央値の参考レンジです(quickfactsを参照)。経験・スキル・企業規模により変動します。
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